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2012年、改正入管法の全面施行による新たな在留管理の開始

2012年は、日本の外国人在留管理制度が大きく変更された年であった。

これは、2009年に成立し公布され一部施行されてきた改正入管法が、201279日に全面施行されたことによりもたらされた変更である。

 

従来、外国人在留管理制度は、入管法に基づく入管による在留管理と、外登法に基づく市区町村による外国人登録により、二元的に担われていた。

ところが、日本に入国在留する外国人数の増加に伴い、在留外国人の情報の一元的で継続的な把握の要請が強まり、2009年の改正法の成立に至ったわけである。

 

2012年に開始された新たな在留管理制度の主な内容としては、在留カードの発行、外国人登録法の廃止、より簡易な再入国制度の併設、在留期間の上限の伸長と細分化、等が挙げられる。

 

上記変更は、適法に在留し、日本の国益に資すると判断された外国人にとっては、在留手続の利便性の向上が図られた内容といえる。

 

他方、不法滞在者にとっては、在留カードは発行されず、住民登録もなく、生活の継続が難しくなる厳しい内容である。

不法滞在と言っても、そこに至った理由は千差万別であり、日本での在留の必然性が高い場合には、個別の事情を汲んだ対応を入管に期待する。

 

また、適法な在留者にとっても、法改正による情報の一元化により、在留変更、更新等の審査は以前より厳格に審査される可能性は高い。

在留外国人も、市区町村への転居の届出、入管への転職、離婚他の届出、納税義務の履行等は滞りなく行うことが望ましい。

 

そもそも、日本は、2010年の出入国管理基本計画において、入管行政の方針として、社会活力維持のため、積極的な外国人の受入れ施策の推進を掲げている。

今後もこの方針に沿った在留管理が、行われていくべきである。